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政治体制

元首
イスマイル・オマール・ゲレ大統領
ジブチは大統領共和制と複数政党制を導入しています。元首でもある大統領は直接普通選挙で選ばれ、任期は6年です。首相の提案に基づき、大統領は閣僚を指名します。大統領には、閣僚罷免の権限も与えられています。各閣僚は、政府の政策を実施する義務があります。立法権は、普通選挙で選ばれる65人の議員(任期は5年)から成る1院制の国民議会に属します。
大統領と国民議会は相互に独立しており、大統領には議会の解散の権限がなく、一方、議会は大統領の責任を追及することができません。
憲法に定められている他の機関には、憲法評議会、高等司法評議会、最高裁判所、オンブズマンがあります。
歴史
アフリカの角(Horn of Africa)はかねて、アフリカとアジア、特にアフリカとアラビア半島を文化および商業分野で結ぶ十字路として機能してきました。アラビア半島の住民との接触は7世紀に、地域でのイスラム教の布教とイスラム王朝の誕生とともに強まりました。欧州との永続的な関係が初めて生まれたのは1839年に遡ります。1862年には、地元の指導者らはフランスと条約を結び、1888年に現在のジブチ共和国の首都であるジブチが建設されました。
領地はかつてフランス領ソマリランドと呼ばれ、1967年にはフランス領アファル・イッサに改称されました。アフリカ人民独立連合(LPAI)による30年間にわたる抵抗運動の後、宗主国は1977年に住民投票を実施し、過半数が独立を支持しました。
1977年6月27日にジブチ共和国として独立し、ハッサン・グレド・アプティドンが初代大統領に指名されました。
位置と地理
ジブチ共和国は、面積2万3200平方キロメートルで、アフリカの角に位置しています。北部はエリトリア、西部と南部はエチオピア、南東部はソマリア各国と国境を接しています。紅海とアデン湾に臨み、沿岸の長さは370キロメートルです。
国土は主に砂漠状の平野からなり、東部の国境近くに中位の高さのいくつかの山並みが広がっています。活火山が1つあり、季節河川からの流れは、海に向かうか、2つの塩湖へ注がれます。
ジブチはアフリカの角に位置する交通の重要な分岐・合流点で、紅海経由で欧州とアジアを、その一方で、インド洋に至る湾岸諸国とアフリカを、それぞれ結んでいます。このため、ジブチは世界で最も輸送量の多い海上交通路の1つに面していることから、戦略地政学的な位置の重要性は疑う余地がありません。アデン湾における海賊との戦いという新たな要因も加わり、こうしたジブチの戦略地政学的な重要性は強まりました。
気候
ジブチはステップ気候で非常に暑くて乾燥しています。2季しかなく、5月から10月は乾燥シーズン、11月から4月が比較的涼しいシーズンです。気温は変化に富み、12月、1月、2月の間は非常に温かく(平均気温は23-29度)、一方、7月は猛暑(31-41度)に見舞われ、湿気が強く、不快感が増します。
雨は沿岸部で通常、11月から3月、内陸部では4月から10月に降ります。ジブチ市の年間平均降雨は130ミリメートルです。
人口
ジブチの人口は1998年時点で68万人と推定され、うち3分の2以上が首都のジブチ市に居住しています。人口の大半(98%)がイスラム教スンニ派です。人口の増加率は極めて高く6%で、20歳未満が人口の53%を占めています。
公用語はフランス語とアラビア語。ソマリ語とアファル語も使用を認められています。
旅行
ジブチは探索に格好の国です。地質学的な探索スポットはユニークで、強烈な感動や変化を追い求める科学者や冒険家をかねて魅了してきました。実際、ダイの森が隠れる北部に連なる山々をはじめ、東部の沿岸には砂浜が、さらにアベ湖では月面を思わせる光景や火山の景観が広がります。飛行機が下降し始め、ジブチの自然が織りなす風景が見えてきたら、予定リストがいっぱいになることをお約束します。
ムシャ、マスカリ、サブルブラン、セットフレールの島めぐりツアーは、すばらしい機会となるでしょう。抜けるような紺碧の海、それに続く砂浜の美しさを堪能するだけのツアーでは終わりません。ゆっくりリラックスし、安息の時間をエンジョイするために、ジブチは必要なものをすべて提供します。数々のビーチと島々、肌を焼くための場所なら1年を通して探すのに困りません。水晶のように澄み切った海に入りリフレッシュしてもよいし、また、シュノーケルで潜れば、水面の真下に広がる驚異の世界へと誘われ、心身ともに癒されるでしょう。
ダイビングをお考えなら、ジブチは、熟練のダイバーにとっても、あるいはビギナーのダイバーにとっても最適の場所です。海洋生物と素晴らしい海中の眺めを満喫できるダイビングは忘れがたい思い出となるでしょう。地元のプロのダイバーとダイビングの専門業者は、未開の有数のスポットをご紹介することでしょう。紅海の海中は、世界中のダイバーの憧れの場所です。ジブチの海は、周辺地域で屈指のダイビングスポットとして有名です。
アッサル湖では、息をのむほどの美しい眺めが楽しめます。アッサル湖は「ジブチの奇跡」の1つとされ、案内ツアーも揃っています。塩湖としては世界3番目の大きさ、海抜マイナス150メートルとアフリカ大陸で一番低い位置にあります。
経済
ジブチの経済・社会発展は2006年以降、大幅に変化しました。港湾活動の再開と海外からの直接投資(FDI)流入を背景に2011年、2012年の経済成長率はそれぞれ4.6%と5.1%に達する見込みです。FDIは公共事業を除く分野への流入が促されています。
海外からの主な投資先はサービス部門(運輸、建設、金融、ホテル・ガストロノミー)です。銀行部門は主に外資系です。
景気は海外からの直接投資による大規模な資本流入に支えられましたが、出資者は、湾岸諸国と中国がほぼ独占しました。投資は主に、運輸(特に港湾業務)、不動産、ホテル、銀行の各業界に対し行われました。資本集約型の活動に投資は集中し、基本的にはジブチの経済成長の主要な牽引役である第3次セクター向けでした。
ジブチは海外からの投資を呼び掛けており、2001年に設立されたジブチ国営投資振興庁(NIPA)が民間部門の投資促進、投資業務の活発化に当たるとともに、同国の規制枠組みの近代化に取り組んでいます。
投資
「ビジョン2035」の一環として、ジブチ共和国は、同国を地域および国際的な輸送ハブに育てるため、道路、港湾、空港、通信のインフラ開発に重点的に取り組んでいます。
こうした目的に向け、ジブチ港湾・自由貿易局(DPFZA)は、業務の拡大と、エチオピアや世界で最も新しい独立国の南スーダンなど近隣諸国の経済成長への後押しを図るため、約60億ドルもの巨額の投資に取り組んできました。
広さ42エーカーの自由貿易区は2004年以来、稼働しており、最高100社の進出が可能です。2012年7月には政府は首都近くに新たに57エーカーの自由貿易区(ジャバナース自由貿易区)を承認しました。
金融
ジブチの為替政策は、米ドルとの固定相場制を採用しています。ジブチ中央銀行は金融リベラリズムの動きにも耐え、その結果、同国は地域の業者向けに、この上なく魅力的でリスクの小さいサービスを提供する地域金融センターとなっています。金融部門はまた、海底ケーブルシステムの能力増強による恩恵を受け、高速かつ安全な取引が確保されています。現在、ジブチには80万人の人口に対し11行の銀行が営業しています。
銀行部門は、同国経済で重要な役割を担っています。ジブチは地理的な位置や政治・経済の安定に恵まれて活発な金融部門が育っています。
自由交換可能通貨が安定しているのに加え、ユニークな地理的な位置や銀行インフラ、信頼に足る最新の通信ネットワークに恵まれ、ジブチの金融セクターはダイナミックで魅力あるものとなっています。ジブチは地域の投資家とビジネスマンを歓迎しており、必要な施設の提供を迅速かつ確実に行いますが、これは、アフリカでは異例の対応です。
ジブチは外貨規制がまったくありません。外貨交換や資金移転の規模、資金の流出入は規制されていません。通貨ジブチ・フランは1949年以来、米ドルとのペッグ制が維持され、1ドル=177.71フランとなっています。
平和
ジブチ共和国の外交政策は、国家間の友好協定と紛争の平和的解決を促してきましたが、妥協策や半ば不当な解決策を恣意的に解釈するようなことはまずありませんでした。
ジブチは近代的で進歩的、また積極的な政策に取り組む国で、特に、紛争の防止、管理、解決のための外交活動に強い関心があります。
ジブチ共和国の外交政策は引き続き重要な役割を演じており、同国国民の理想を伝えるとともに、地域と世界の平和と発展に貢献しています。
平和と正義を1つの価値観として受け入れ、また積極的な外交と忍耐を手段としてとらえるとともに、すべての人の繁栄を究極の願いとして追求することが、ジブチ共和国の外交政策の柱です。
教育
2000年以来、ジブチでは教育の分野で重要な進歩が見られました。純就学率は2002年の43%から2006年には66%に上昇しました。都市部での子供の小学校の進学率は67%で、農村部では49%です。全国レベルでは男女同権がほぼ達成されています。
ジブチ大学は2006年10月の設立で、前身は2001年に創設されたThe University Centreです。ジブチ大学では、学内で使われる言語はフランス語だけで、フランスのいくつかの大学や研究所とは学術面での強い関係を維持しています。2013年9月29日に創設の工学部はトルコ政府からの資金援助を受けています。
最近は医学部も新設され、医療現場での医者の育成、医療従事者対象の研修などに当たっています。
農業
ジブチの農業の規模は極めて限定的です。農村部の水不足は深刻で、植生と農業の多様性の範囲があまり大きくありません。農業の同国国内総生産(GDP)の寄与率は4%程度です。
国内では家庭用のトマトが栽培され、ナツメヤシも沿岸周辺部で生産されています。
ジブチの植物相は、地理的要因からあまり変化に富んでいません。農地での生産は、若干、限定されています。
ジブチでは、畜産(家畜)が農業よりも重視されてきました。野菜や果物も生産しています。また、ヤギ、ラクダ、羊の家畜業や動物の皮も手掛けています。2001年のジブチの穀物取引高は約3万7970トンに達しました。
社会
ジブチ国民は外国人と会うことを楽しんでいますが、皆が英語を上手に話すわけではありません。フランス語の能力があれば、ビジネスや地域に溶け込むために役立ちます。ジブチ社会では、夕食や懇親会での交流が大切です。ジブチには多くの親睦クラブ(ライオンズクラブやロータリークラブ)があり、国際社会で活躍する人たちと出会う機会を提供しています。